渋柿の渋ぬき。さわし柿
四季折々で様々な果物が楽しめる新潟。
秋の新潟の果物といえば、ブランド柿として名高い「おけさ柿」です。
やや扁平な形をした種の無い柿で、代表産地である佐渡の民謡「佐渡おけさ」から名付けられたそうです。
種が無いため食べやすく、口の中でとろけるような食味、まろやかな甘さが特徴ですね。
代表産地は佐渡市の羽茂地区、新穂地区、赤泊地区、新潟市の巻地区、秋葉区等があります。
おけさ柿=八珍柿=平核無柿?
実は、「おけさ柿」という呼称は、品種名ではなく「商標名」だそうです。
品種としては「平核無柿(ひらたねなしがき)」と、平核無柿の早生品種の「刀根早生(とねわせ)」という2品種がこれにあたります。
元々は「八珍柿」と呼ばれており、種のない柿は全国にも類がなく、種の無い世にも珍しい柿だということから、越後七不思議の八番目にあたるとして、新潟県農事試験場が名付けたとされています。
「柿が赤くなると、医者が青くなる」という有名なことわざがあるくらい、柿にはビタミンCをはじめβカロテン、食物繊維やミネラルをたっぷり含んだとても栄養価の高い果物です。
柿には「甘柿」と「渋柿」がありますが、甘柿には渋み成分が入っていないのではなく、実は甘柿にも渋柿と同じ渋み成分「シブオール」が含まれるのだとか。この「シブオール」はタンニンの一種。
甘柿は熟すにつれて渋みが抜けていきますが、渋柿は渋抜きをする必要があります。
渋抜きにはいくつかの方法がありますが、家庭で行うのに一番手軽なのは「アルコール脱渋」。
醂す(さわす)ことで、美味しく食べられるようになります。
ここからさわし柿という名前がついたようです。
柿の種類は日本だけでも1,000 種以上あります。
弥生時代以降に栽培種として大陸から伝来したものが多く、鎌倉時代の遺跡から立木が発見された事例もあるそうです。
自分の家でも昨年までは、アルコールを使い脱渋をしていましたが、今年は違ったやり方で脱渋をしてみる事にしました。
脱渋に使う商品の名前が「ネオヘースタン」です。
4本入で¥220-くらいでした。
渋抜きアルコールは600mlで¥800-くらいするので、脱渋する柿の量にもよりますが、少量の場合は値段的には非常に安いと思います。
ネオヘースタン。
この前、子宝草を貰っていただいた奥さんの友達から渋柿を貰うこととなり、脱渋用のアルコールを買いにスーパーへ行ったのですが品切れ!
すぐ近くのホームセンターへ行った時、この商品を見つけました。
袋の中には、四角いローソクのような物が4本入っています。
名前を見て、直ぐにネットで検索。
いただいた柿です。
この渋抜剤は固形エチルアルコールで製造されているようですね。
1本のネオヘースタンで5kgの柿の脱渋が出来るそうです。
4本入っているので20kgの柿の脱渋が出来る計算になります。
ダンボールでの脱渋。
動かないようにセロテープでとめて。
ビニール袋を使って。
密封できる容器(ポリ袋、またはダンボール箱の中にポリ袋、等)を用意し生柿を入れます。
柿の上にダンボール等を敷き、ネオヘースタンを袋から取り出してその上に乗せます。
ダンボールで蓋をします。
ビニール袋の場合。
段ボールならガムテープ等で周りを塞ぎ、ポリ袋なら口をしっかり絞って密封します。
これで仕込は完了です。
密封後、7~10日後に開封して空気に当てると脱渋が完了し、甘味のある柿になるそうです。
開封直後は多少渋みが残る場合があるようですが、1~2日経つとと美味しく食べれるようになるらしいです。
アルコールを使用して脱渋する時には、蔕(へた)を取りますが、このネオヘースタンは蔕を取る必要は無いみたいです。
また、この蔕ですが生薬名を「柿蔕(してい)」といい、薬としてしゃっくり止めや鎮咳、夜尿症に使っているそうです。
柿は生薬になる蔕以外の部位も用途が多く、葉は茶剤として血圧降下に、果実は滋養強壮に用いられています。
やはり、ことわざ通りなのかも知れませんね。
今日の一日が、皆さんにとりまして、最良の日となりますように。