トキ誕生

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新潟県長岡市寺泊夏戸のトキ分散飼育センターで、今季初となるひな1羽が誕生しました。

同センターでのひなの誕生は12年連続で、通算59羽目となります。

 

6歳雄と4歳雌のペアによる産卵が3月12日に確認され、その卵から4月10日に人工ふ化で生まれました。

ひなは体重約62グラムで標準よりやや大きめだということです。

 

また、新潟県佐渡市の野生下で今季最初のトキの抱卵を確認しており、有精卵の場合、4月下旬にもひなが生まれる見込みです。

 抱卵が確認されたのは、佐渡市相川地区で営巣する8歳雄と年齢不明の雌のペアて、24日朝、1羽が卵を温めるように巣に座り込む姿が確認され、抱卵と判断したそうです。

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 環境省佐渡自然保護官事務所によると、佐渡市の野生下で、抱卵したペアのほか、6組の営巣が確認されています。

 

2022年における野生下トキの最終的な繁殖結果(推定値)は、モニタリングデータからの統計分析手法で184ペアが営巣し、そのうちの60ペアから133羽が巣立ったと推定されました。

あわせて、繁殖期終了後の野生下トキ個体数は推定569羽(うち放鳥個体151羽)となり、2008年の放鳥開始から14年を経て、500羽を越えました。

 

トキは時代により呼び名は変わりますが、日本では昔から身近な鳥でした。

奈良時代に完成した日本書紀には、「桃花鳥(とうかちょう)」と記されていますし、その名前は、トキの桃色の羽の色からつけられたと考えられています。

江戸時代、トキの羽は弓矢の矢羽に使われるなど、資源として重宝されており、江戸時代の人は、トキの自然にぬけ落ちた羽をひろい、お金にかえていたそうです。

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伊勢神宮で20年ごとに行われる式年遷宮の際には、ご神宝の須賀利御太刀(すがりのおんたち)の柄(え)の部分にも、トキの羽が使われています。

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一方で、トキは田植えしたばかりの田んぼの苗をふみあらすので、農民にとっては害鳥とされていました。

江戸時代の終わり頃、ドイツ人の医師で、博物学者でもあったシーボルトは、トキを初めて世界に紹介しました。

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余談ですが、今から数年前、自分達の住む市にも朱鷺がやって来たことがありました。

 

日本固有の朱鷺は絶滅してしまいましたが、現在増えつつある朱鷺を大切に見守って行きたいものですね。

 

今日の一日が、皆さんにとりまして、最良の日となりますように。