マスクの着用 どうする?

新型コロナウイルスの新規感染者数が減少していることなどを踏まえ、政府は今日の3月13日から、屋外、屋内を問わず、マスクの着用の判断を個人に委ねることを決定しました。

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2023年5月8日から、新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)が「重症化リスクや感染力の高い結核重症急性呼吸器症候群SARS)」が属する「2類相当」から、「国が感染症の発生動向を調査し、必要な情報を提供することで発生・まん延を防止すべきもの」である「5類」に変わります。

これに先立ち、今日3月13日からマスクの扱いも「屋内・屋外問わず個人の判断に委ねることを基本とする」ことになります。

 

5類には季節性インフルエンザなどが含まれているので、「新型コロナもインフルエンザと同じになる」「この日を境にいよいよコロナ禍も終わり」といった感覚になっている人も多いと思います。

しかし、マスク着用に関して「個人の判断と言われても困る」といった意見も数多く出ているようです。

 

こういった反応を見ると、多くの人が「白黒はっきりつけたい」と感じているのが分かります。

タイミングについては「◯日を境に」という議論をしがちですし、リスクの高低も「分類がどのようなものか」という境界線を意識します。

マスク着用の判断も「着けるのか着けないのかはっきりしてほしい」という気持ちがあるからでしょう。

 

 つまり「境目思考」をしているわけです。

しかし境目思考は、自然の摂理にはあまり合っていないかもしれませんね。

これまで何回かの変異を経て、新型コロナが弱毒化しているのは確かです。

ウイルスの変異そのものは境目型の変化ですが、新しいウイルスへの置き換わりは徐々に進むので、新型コロナのリスクはやはり「ある日突然変わるもの」ではなく「徐々に変化するもの」といえるでしょう。

 

したがって今日を境に「新型コロナが、人間の都合で決めた別の分類に変わる」というだけのことであり、新型コロナが突然弱毒化したり、感染しにくくなったりするわけではありません。

 

新型コロナの感染リスクは、他人との距離や人の数、会話の量、換気の状態、自分の免疫の状態(体調)など、さまざまな条件で変化します。

この変化は「白か黒か」というはっきりしたものではなく、白と黒の間に薄いグレーや濃いグレーを含むグラデーションの変化です。

 だから、本日より前であってもマスクを外しても感染リスクが低い状況はあるし、3月13日より後でも、マスクをした方がよい状況はいくらでもあると思います。

 

コロナ禍の約3年間で、私たちはコロナ前よりもはるかに感染症について詳しくなり、科学的な知識もたくさん身に付いたと思います。

それゆえに、天気予報を見て何を着るか決めように、その日に出かける場所の状況等を考えて、マスクをすべきかどうかも決めると良いのではないでしょうか。

コロナから身を守るのは、あくまでも自分自身ですから。

 

今日の一日が、皆さんにとりまして、最良の日となりますように。