ついにスマホが健康保険証に!
デジタル大臣を務める河野太郎氏は5月11日に始まるマイナンバーカードのAndroidスマートフォンへの搭載について、各サービスの対応時期を明かしました。
マイナンバーカードのスマートフォンへの搭載は、マイナンバーカードの電子証明書機能をスマートフォン単体で利用できるサービスになります。
同大臣によりますと、5月11日以降はマイナンバーカードを読み込まなくても、対応するAndroidスマートフォン単体でマイナポータルにアクセスできるようになるそうです。
その後、5月中にも、銀行口座開設や携帯電話の契約、キャッシュレス決済の申し込みなど、民間サービスにおけるマイナンバーカードを用いた本人認証も、物理カード不要で利用できるようになる予定となっています。
さらに、スマートフォンを健康保険証(マイナ保険証)として利用できるサービスの開始は「2024年4月の開始を目指す」と述べました。
同大臣は、マイナンバーカードのスマホ搭載によって「顔認証や指紋認証によってパスワードの入力が不要になり、利便性が大幅に向上する」と説明し、更には「『行かない役所、書かない手続き』を目指していると述べ、スマホ1つで全ての行政サービスを完結できるようにしたい」と付け加えました。
なお、iPhoneへのマイナンバーカードの搭載時期は現時点で未定となっている。河野大臣は「できるだけ早くiPhoneにも対応させたい」と発言しました。
マイナンバーカードの機能がスマホに搭載されるようになるわけですが、当初はAndroidのみで、iPhoneはしばらく先になりそうです。
そもそも、スマホ内で電子証明書を保存するのが、セキュアエレメント(SE)と呼ばれるスマホ内のセキュリティチップで、SEはApple PayやGoogle Payなどの決済サービスにおいても、クレジットカード情報などの保存に使われています。
SEの利点はセキュリティの高さであり、SEはOSとも切り離されており、SE内のデータには他のアプリからもアクセスできません。スマホ内にありながら専用のサーバを通じてだけアクセスできる領域となっているわけです。
ところがSEを利用するにはOSの機能を使う必要があり、現在は「Androidは解放されているが、iOSでは解放されていない」そのため、iOSでも使えるようにアップルに働きかけている最中だということです。
アップルは目算が立たない交渉にはすぐにNGを出し、またスマホ決済の際にも、アップルはSEの解放に極めて慎重でした。
しかし交渉は継続しており、前向きに検討が進んでいるというのが関係者の見方だそうです。一方で、これを実現するにはiOS自体の改修が必要になり、仕様が確定して1年で開発、翌年リリースという流れを考えると、これが実現するのは最速でもその次の秋(23年秋)となるそうです。
iPhoneの利用者にとっては、まだまだ道半ばと言ったところでしょうか。
今日の一日が、皆さんにとりまして、最良の日となりますように。