9月に入り我が家の小さな庭にも、秋の気配を感じる頃となりました。
大きな葉の影に隠れてそっと伸びて来た、まるで自分のような植物。
黄色の彼岸花。
黄色の彼岸花として多く見られるのは「ショウキズイセン」と呼ばれるヒガンバナ科の花です。
淡い黄緑色の花びらが特徴的な「カチューシャ」や、花びらの黄色味が強い「喝采」という品種もあります。
彼岸花とは、ヒガンバナ科・ヒガンバナ属(リコリス属)の多年草で球根植物です。
道端や人里に近い川岸、田のあぜ道などに群生し、夏の終わりから秋にかけて咲きます。
「彼岸」=「あの世(死)」から不吉な言葉をイメージする別名がたくさんあります。
例えば、死人花(シビトバナ)、地獄花(ジゴクバナ)、幽霊花(ユウレイバナ)、剃刀花(カミソリバナ)、狐花(キツネバナ)、捨子花(ステゴバナ)、毒花(ドクバナ)、雷花(カミナリバナ)、痺れ花(シビレバナ)、葉見ず花見ず(ハミズハナミズ)。
どの別名も良いイメージとは言えませんが、たくさんの別名があるということは、それだけ人々に親しまれてきた花ということではないでしょうか。
また、彼岸花には花・茎・葉・球根、すべての部分に毒があります。
中でも特に強い毒を持つのは球根の部分です。
植物に含まれるのは主にアルカロイドという毒。その種類はとても多く、彼岸花には約20種類のアルカロイドが含まれています。
誤って食べてしまうと吐き気や下痢を起こし、重症の場合は中枢神経の麻痺を起こして死に至ることも。
日中は気温が上がり暑い日もありますが、夕方から夜にかけては涼しい風が吹いてくれます。
そんな時にも秋の気配を感じる日々です。
そして、これから天気の良い日の夜には星空がとても綺麗です。
夕方には、宵の明星の金星が輝き、冬の星座としても有名な狩人オリオンの星座も見ることができます!
「宵の明星」が確認できる方角は日没後の「西」の空、また「明けの明星」は日の出前の「東」の空です。
たくさんの人が名前を知っていて、実際に見つけ出すことができる星座の代表。
オリオン座。
冬の夜に南の空にすぐ見つけ出すことができ、星座の中央の3つの星がオリオンの腰のあたりで、その周りを囲む4つの星がオリオンの体です。
東側の赤い1等星をベテルギウスといい、「おおいぬ座」のシリウス、「こいぬ座」のプロキオンと「冬の大三角」を形づくっています。
べテルギウスは「冬の大六角」の中心の星でもあり、「オリオン座」の反対側の角にある青っぽい1等星リゲルは冬の大六角の角のひとつです。
この星座は、ギリシア神話に登場する大男の狩人(かりうど)オリオンが、右手に退治したライオンの毛皮をもち、左手で太いこん棒を振りかざしている姿をイメージしています。
ギリシア神話によると、すぐれた狩人であったオリオンは、月と狩りの女神アルテミスに恋心を抱かれていました。
しかし、アルテミスの兄・太陽神アポロンは、そのことがどうしても気に入らず、策略によってアルテミスの手でオリオンを射殺させてしまったのです。
このことを深く悲しんだアルテミスは、「私が銀の馬車で夜空を走っていく時、いつでもオリオンに会えるよう彼を星座にしてください...」と大神ゼウスに願い出ました。
そこでオリオンは星座となり、すぐ近くを大きく明るい月が通り過ぎていくようになったというわけです。
秋の夜長、たまには星空を眺めて見るのはいかがですか。
今日の一日が、皆さんにとりまして、最良の日となりますように。